Dr.Kの徒然日記-はてな支部-

健康専門の医師、Dr.Kの日々のつぶやきブログ

【お祭りと言う文化】

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。

 

先週末は浅草の三社祭に参加させて頂きました。

生まれてこの方お祭りは出店を巡るくらいで、

お神輿を担いだりする側の参加は初めてでした。

 

色々と見聞きしたことを

備忘録代わりに纏めてみましたので、

お時間ある方はお気軽に読んでください。

 

結構海外の方も参加されていました。

 

キリスト教カトリック教会の

マリア信仰の強い地域などでは、

Paso(「マリア神輿」と意訳される事も)と呼ばれる、

聖母マリアの像やキリストの像を載せ、

太く長い多数の蝋燭をあしらい、

銀細工を随所に施した

白と銀とに色調を統一した

神輿に相当するものがあったりしますが、

神輿の様に掛け声を掛け揺らすことは無く、

摺り足でしずしずと運ぶそうで、

日本のお神輿とはかなり意味合いが違う様です。

 

そもそも一神教においては

崇拝の対象である聖母や聖人達であっても、

神では無くあくまで人ですしね。

 

あらゆる動物や物に神性を感じ敬う、

と言う多神教である神道は、

自然を信仰対象とする原始宗教の特徴が残った

世界的に珍しい宗教と言えます。

 

日本のお神輿や山車は、

普段は御神体のある神社において、

神の御霊をお神輿の移し載せて街中をめぐり、

その地域を清める意味があり、

元々は神様を敬愛する気持ちの現れとして、

人より高い位置で肩に担がれるようになった

というのが通説です。

車輪が付いている山車(だし)も

人の目線より高く作られていますね。

 

神輿を担ぐ際の休息時も、

神輿は絶対に地面には下ろさず、

馬と呼ばれる台の上に置かれるのも

神様を敬う気持ちから、とされています。

 

神様より高いところから見下ろさないとして、

お神輿を2階以上の窓から見るのも、

避けるべきとされることも多いですが、

結構観られてる方もいらっしゃいました。

 

三社祭においては、

各町会毎に町会神輿があり、

町会内の神社の神様が載せられ、

浅草神社に集合した後に神主よりお祓いを受け、

地域の町会に戻っていく「氏子各町神輿連合渡御」

と言う儀式と、

浅草神社の本社にある

「一之宮」「二之宮」「三之宮」と言う

「本社神輿」と総称される三基のお神輿に、

浅草神社で祀られている神の御霊を移し載せ、

「東部」「西部」「南部」と区分された町会内を

担当町会毎に受け渡しながら巡り、

浅草神社に戻る「本社神輿渡御」と言う儀式が

主なものです。

 

お神輿を担ぐ際の格好なども、

こうした方がより粋と言われるやり方はあり、

それに忠実な人も居たりしますが、

それで無ければいけないと言う事は無く、

担当町会の半纏を着ていれば担げます。

 

そして担ぎ方やリズムの取り方も、

マニュアルや参考書がある訳でも無く、

特に教えられる事も無く

参加しながら体得していくのが伝統の様です。

 

知らずにイメージでガンガン担ぐと、

肩の骨や肉に担ぎ棒があたるので、

打撲症になったり表皮が剥がれ出血したり

することも多いです。

 

1回参加した初心者ではありますが、

肩が痛くなりにくい担ぎ方のコツは、

若干猫背にして鎖骨に当たらない様に

肩の首筋に近い部分に棒を密着させ、

同じ側の腕を棒に回して密着したところが

離れない様にして、

神輿の上下動きに合わせて

膝でリズムを取りながらついていく、

と言う感じの様です。

 

昔からやられてる人達からは邪道とされる、

洋服の肩部分にタオルやパッドを入れる、

と言う事をする人達もいますが、

祭りに人生を捧げる様な人で無ければ、

慣れないうちは使っても良い気はします。

 

慣れてきたら使わなくても

耐えられる様になると思いますが、

どんなに担ぎ慣れている人でも、

痛みがゼロになる事は無いので、

我慢出来る様になると言う感じですね。

 

あまり担ぎ過ぎると、

肩や背中に関節液が溜まり瘤状になり、

更に担ぎ続けると、

角質が分厚くなり胼胝(タコ)状になります。

いわゆる「御輿胼胝(みこしだこ)」と

呼ばれる物でお祭り好きの人にとっては、

勲章の様に扱われる様です。

 

ちなみに水分を多く摂取したり、

担いだ後は肩を温めるなどのケアをすると、

肩の炎症も早く軽減するので、

「神輿胼胝」の予防になるので、

適切なケアを心がけるのも大切ですね。

 

湿布薬は毛細血管を収縮させて

抗炎症効果を発揮しますが、

本来炎症は血流を増やして

免疫機能を高め組織の回復を促す、

という意味合いがあるので、

湿布薬や飲み薬の抗炎症剤は、

症状は楽になりますが治りは遅くなります。

 

受賞直後の腫れ、熱感、痛みが強い時は

アイスパックなどで冷やしてしのぎ、

ある程度落ち着いたら、

38-40℃程度に温めた方が回復が早くなるんです。

肩こりや腰痛も同じことが言えますので、

万一の時はやってみてください。

 

腰を痛めない様にする為には、

無理に上半身を揺らすのでは無く、

真っ直ぐに立った後は

軸を崩さない様に上半身を固定し、

踵の上げ下ろしと膝の屈伸で、

お神輿の上下動についていくこと。

 

そして疲れたらすぐに代わってもらう、

と言うのも大切です。

 

もうひとつ個人的に感じたのは、

巻帯を正しい位置でしっかり締める、

と言うのも大切な気がしました。

 

半纏がヒラヒラしない様に巻くと言うよりは、

骨盤と腰をしっかり固定する事で、

腰を痛めにくく疲れにくくしてくれます。

先人の智慧は本当に凄いと感じます。

 

ただお祭り騒ぎと言う言葉があるくらい、

喧嘩も起きやすかったりします。

 

今回参加させて頂いた町会はマナーが良く、

いわゆる反社会的勢力と言われる人達が

他町会の様に関わってはいなかったのですが、

別のところでは乱闘騒ぎも起きていた様です。

 

神様に巡行して頂くと言う

本来の趣旨を忘れない様にするのが、

お祭りやお神輿に関わる上で大切ですね。

 

初体験の翌日ですので、

今日は肩も足も痛みが結構強いです。

温めるケアをしてみますが、

何日くらいで痛みが引いてくるでしょうか。